膵がんを知る

すべてが怖いわけではない がんと間違えやすい膵臓の病気

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腫瘍性膵嚢胞の中で目立つのが「膵管内乳頭粘液性腫瘍」(IPMN)です。膵管にブドウの房状の腫瘍ができるもので、主膵管型と分枝型があります。がんに移行するものもあり注意が必要です。

 脾臓に接する部分にできやすいのが「粘液性嚢胞腫瘍」(MCN)です。1~2センチなら経過観察するケースも少なくありません。「漿液性嚢胞腫瘍」(SCN)はめったに見られない腫瘍です。確定診断がつけば基本は経過観察となります。SPNは20~30代の若い女性に多い膵臓の腫瘍です。悪性である可能性はかなり低いとされています。

「神経内分泌腫瘍」(NET)は神経内分泌細胞から発生する腫瘍で、以前はカルチノイドと呼ばれていました。肺などにも見られる腫瘍で、消化器では40代で直腸に見られることが多く、膵臓での発見も増えています。検査機器の精度が上がったからでしょう。予後が悪いものもあるのでこちらも注意が必要です。

(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)

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