「問題は、一方の目が白内障や緑内障、加齢黄斑変性を発症していても、もう一方の目で視力を補ってしまうため、患者さん本人がなかなか気づかない点です。気がついたときには相当進行しているケースも珍しくない」 緑内障や加齢黄斑変性では、落ちた視力は元に戻せない。
対応が遅れれば、視力を失ってしまう可能性もある。「新規に視覚障害認定を受けた18歳以上の視覚障害者」(2015年)のうち、緑内障はトップで28・6%。加齢黄斑変性症は8%で第4位だった。視力が著しく落ちてから後悔しても遅い。
では、どういう「見え方」の場合、病気を疑うべきか?
「白内障は、『もやがかかって見える』『ものがかすんで見える』『明るいところでまぶしくて見えづらい』などが初期症状です」
最初は点眼薬で対応。本人が「生活に支障がある」「もっとよく見えるようになりたい」と思った時が、手術のタイミングだ。