膵がんを知る

膵がん根治を目指すには手術だが…80歳超の手術はアリか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それによると、80歳以上の膵がん患者さんはがん切除により予後は改善し、術後の合併症は若い世代と同じですが、手術後に他の病気で亡くなる率や肺炎が増えて生活の質が下がるとの結果でした。

 80歳以上の膵がん患者さんの生存期間中央値は12・4~13カ月に対して80歳未満では13・0~35カ月と報告され、8編中3編は予後が有意に不良であるとし、5編は有意差なしと報告しています。

 80歳以上と未満との比較では、全身症状の医学的指標である「パフォーマンスステータス」や「ASAスコア」の高い80歳以上における膵がん切除後の死亡率は0~15・5%に対して1編を除いて若者の死亡率(0~9・3%)と統計的な有意差は報告されていません。術後の合併症も4編で差がなかったと報告しています。ただし、手術後の生活の質において、在院日数と自宅への退院率を比較した論文6編中3編は80歳以上の入院日数が延長しており、自宅への退院率は63%と若者に比べて17%程度低かったのです。

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