しかし、HPVにはハイリスクとローリスクの2つのタイプがあり、ハイリスクに感染して実際にがん(ほとんどが子宮頚がん)を発症する女性は毎年約1万9000人と発表されています。HPVワクチンは予防接種が有効で、「予防できるがん」とも呼ばれていますが、アメリカでの接種率は5割強であり、まだ十分とは言えません。ちなみに日本では、子宮頚がんワクチンは「積極的勧奨」をされておらず、接種をする人がほとんどいません。アメリカに比べてはるかに遅れている状況です。
今回使われたクリスパー技術は年々その精度が高まっていて、今年はエイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の遺伝子書き換えにマウス実験で成功。ウイルスを除去することで、長年の悲願だったエイズの完全治癒への一歩を踏み出して大きなニュースになりました。
マクミラン教授は「この方法は今後ほかの多くの病気の治癒にも応用できるだろう」と希望を語っています。
ニューヨークからお届けします。