スタチンは、筋肉や関節の痛み、しびれ、だるさといった副作用があり、まれに筋萎縮や横紋筋融解症といった重篤な症状を起こす可能性もあります。必要以上に投与量が多ければ副作用が出るリスクがアップします。その中国人の患者さんも、まさに「体の節々が痛くて困っている」と訴えて来院されたのです。
ただ、服用している薬をチェックして、「これほど大量のスタチンを飲んでいたら、副作用が出るのは当然ですよ」と説明しても、なかなか納得してくれません。さらに話を聞くと、現地の医師は節々の痛みに対して新しいリウマチの薬を処方したといいます。スタチンの副作用で表れている痛みをリウマチの薬で抑えようとしたわけです。
こちらが「スタチンの量を減らせば痛みは治まります。あなたは、もともと必要ないリウマチの薬を出されているんですよ」と言っても、患者さんは「それを飲んだら痛みが軽減した。あの先生の薬はよく効くから名医だ」と受け入れようとはしませんでした。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」