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高齢者を自然災害から守る…フロリダの教訓をどう生かすか

日本では台風19号の被害が…(避難所で雑魚寝をする被災者)/(C)共同通信社

 史上最強といわれた台風19号は日本の広い範囲に深刻な被害をもたらしました。その1カ月ほど前、カリブ海から大西洋にかけてやはり史上最強規模とされるハリケーン「ドリアン」が猛威を振るいました。

 しばしばハリケーンの進路となるフロリダ州は、年間を通して温暖な気候で引退した高齢者が移り住む地域として知られており、683軒の老人ホームと3100軒の介護付き住宅があります。今回のハリケーンは、高齢者をどう守るかが試されたハリケーンでもありました。

 今から2年前の2017年9月、今回と同様に強いハリケーン「イルマ」がフロリダに上陸。700万人が避難、123人が亡くなりましたが、そのうち12人が老人ホームにいた高齢者でした。死因は停電により冷房が停止したための熱中症。老人ホームの看護師を含む職員4人が劣悪な環境に入居者を長く放置したとして、過失致死罪に問われています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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