夜泣きに追い詰められた母親が…乳幼児に睡眠薬投与の是非

乳幼児に睡眠薬処方は臨床の現場ではゼロではない

■夜泣きに追い詰められた場合はどうする?

 赤ちゃんに眠らせる薬を飲ませることは積極的に勧められる話ではないが、それを決断しなければならないほどわが子の夜泣きに追い込まれる母親は少なくないという。

「抱っこしたり、おっぱいをあげたり、昼間にできるだけあやしたりしても、激しく泣いてしまうケースもあるのです。夜泣きにイライラした揚げ句、赤ちゃんに手を上げて叩いてしまい、“自分はダメな母親だ。母親失格だ”と泣きながら自分を責めて“死んでしまいたい”と言う母親もいます」

 いまの母親は出産ギリギリまで働くため、もともと体力がなく、夜泣きの時期に肉体的にも精神的にも限界を超えるケースもあるという。

「赤ちゃんに睡眠薬を飲ませるのは好ましいわけではありませんが、赤ちゃんの夜泣きに苦しむ若い母親を、ただ“我慢しなさい”と言って追い詰めるのもどうなのか。難しい問題です」

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