後悔しない認知症

若い頃から怒りっぽい人、威張る人ほど認知症の進行が速い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■よく笑いコミュニケーションを楽しむことが大切

 以前にもこのコラムで紹介したが、認知症研究の第一人者で、自らの認知症発症を公表した長谷川和夫氏は、漫画家の東海林さだお氏との雑誌対談の中でこう述べている。

「人と話をするということは、ものすごく高度な能力を使います。相手の言うことを理解し、それに返事をする。これを繰り返すことは、とてもいい訓練になりますよ」(「オール読物」2019年11月号)

 さらに、認知症の人への接し方についてこう続けている。

「温かい心で接することが何よりも大切です。目線の高さを同じにして、遠いところからではなく、一メートル以内くらいの距離でお話しする。そして周囲の人も、認知症の本人も、よく笑うことがとても大事です。笑うと血液の流れも活発になります」(同)

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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