■サプリメントでのイソフラボン摂取はお勧めしない
納豆のお話に戻ります。大豆は日本人の食生活を支えていて、摂取する量は欧米人よりも多いことで知られています。豆腐、納豆などの大豆食品に多く含まれる大豆イソフラボンは植物性ホルモンといわれ、化学構造が女性ホルモンに似ています。
イソフラボンは女性ホルモンの作用を阻害することで「乳がんを予防する効果があるのではないか」と考えられ、味噌汁などでの大豆摂取により、乳がんリスクの低下を示す疫学的研究があります。また、乳がんを発症している患者に対するイソフラボンの影響を調べた研究では、乳がんの再発や死亡を減少させる可能性があるとも報告されています。
これらの結果を支持しない報告もありますが、少なくとも食事としての大豆摂取による悪影響はないと考えられます。ただ、サプリメントでの高用量のイソフラボン摂取は安全性が確立しておらず、控えた方がよいと思います。
がんと向き合い生きていく