病み患いのモトを断つ

エアコンが乾燥を助長 インフルウイルスを殺す加湿の目安

東京の冬は砂漠よりカラッカラ(C)日刊ゲンダイ

 インフルエンザウイルスの生存率は、気温と湿度で大きく変わる。気温10度、湿度20%だと、生存率は6割を超える。湿度20%のまま、気温が22度になると、やや上がって7割近いが、気温32度になると2割を下回る。ところが、気温10度で、湿度50%の生存率は4割ほどで、湿度50%のまま22度になると、1桁台に低下し、32度では死滅する。

 これは、1961年にG・J・ハーパーが発表した論文だ。50%の湿度が、インフル予防の根拠になっているが……。

「湿度50%、気温30度に含まれる水分量は15グラムですが、気温10度だと4・6グラムに減ります。水分そのものが少ないので、乾燥を感じるし、それで喉が渇くと余計にウイルスが上気道に感染しやすいのです」

 実は、空気中の水分量が11グラムを下回ると、インフルエンザが流行するといわれる。家電量販店には、温度と室内の水分量をセットで表示する温湿度計が1000円程度で売られている。それを参考にして室内の水分量が11グラムを上回るように加湿するのがベターだろう。室温25度で、湿度50%だと、水分量は11・5グラムになる。過剰な加湿はカビを繁殖させる。加湿の目安は、室温20~25度、湿度は60%までだ。

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