早期なら7~8割は無症状といわれますから、画像検査の副産物といえるでしょうが、その効果は見逃せません。
IPMNは、盛り上がるよう(乳頭状)に増殖する腫瘍で、豊富な粘液を分泌するのが特徴。それで膵液の流れが妨げられると膵炎を発症して背中の痛みを生じたり、病変が大きくなって黄疸が出たり、膵機能の低下で糖尿病になったり……。経過観察でチェックしながら、腫瘍が大きくなってきたタイミングで手術します。
悪性化していても、腫瘍が膵管にとどまっていればよいのですが、膵管の外に浸潤すると、通常の膵臓がんと同様に難治がんになるのです。
それでもIPMNは、がんになる前の段階で診断できますから、通常の膵臓がんとは区別して、しっかりリスク管理することが大切です。
国際ガイドラインによって治療法が決まっていて、一般に手術の適応は主膵管の太さが大切な指標になっています。そのほかにもさまざまな条件を加味して、主に「主膵管の太さが10ミリ以上」「黄疸の症状」などがあると、手術の適応に。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁