独白 愉快な“病人”たち

最後の手段で肛門にホースを…お侍ちゃんが語るクローン病

お侍ちゃんさん(C)日刊ゲンダイ

 胃と大腸に異常がないと判明し、小腸内視鏡検査を済ませたところで医師が言うには、「たぶんクローン病じゃないかと思う」というあいまいな診断でした。症状は明らかにクローン病でも、難病ゆえに確定するには決め手に欠けるというわけです。でも、クローン病の治療であるステロイド点滴でたちどころに数値が良くなったことで、やっと確定に至りました。

 前の病院から数えて4週間の絶食により体重はマイナス15キロと激やせしましたが、エレンタールという液体栄養剤と流動食で体力を回復させるとともに、点滴によるステロイド量を段階的に減らしていき、錠剤程度の量にできたところで退院となりました。トータル40日の入院生活でした。

■1日に摂取していい脂質はテリヤキバーガー1個分

 いまは寛解状態です。自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患なので、免疫抑制剤と液体栄養剤を服用しながら、おかげさまで仕事をしています。劇的に変わったのは食事で、揚げ物、炒め物は極力食べないように心掛けています。摂取していい脂質は一般成人男性の半量の1日30グラム。これはテリヤキバーガー約1個分です。しかも、この食事制限は一生続くものです。こう言うと、みなさんに驚かれ、気の毒がられるのですが、食べられるものの範囲内で結構楽しめているので、特に悲観はしていません。なにより体が痛みを覚えているから、「食べなくていいや」という気持ちになるのです。

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