ただ、予想される課題があるのも事実で、そのひとつが「腫瘍化」です。iPS細胞は未分化細胞なので、心筋だけでなく他の臓器や骨、皮膚、髪の毛などさまざまな組織に分化します。ですから、心臓の中に余計なものができてしまう可能性があるのです。
とはいえ、iPS細胞をよりピュアにして腫瘍化が起こらないように安全性を確かめたうえでシートを作る技術がかなり進化しています。今回の治験も安全性が担保されているからこそゴーサインが出たといえます。今後のiPS細胞による再生医療の試金石となる治験に注目しています。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」