一般男性より4歳長生き「僧侶の食生活」が注目されるワケ

東日本大震災の犠牲者を悼み、念仏を唱えながら練り歩く僧侶(C)共同通信社

 そもそも幕末以降に日本に入ってきた西洋料理は誕生から200年程度の若い料理。1000年以上かけて練り上げてきた和食に慣れた日本人の体質に合うとは思えない。

「にもかかわらず、いまでもアメリカとの力関係により、肉を輸入し続けている日本では『健康に良いから肉を食べなさい』というキャンペーンが盛んです。しかし、いまほど動物性食品を取っていなかった80年代に世界一の長寿となったのですから、日本人はこれ以上動物性食品を増やす必要はありません」

 その正しさは現代の僧侶が証明しているようだ。

「僧侶は皆、長生きです。昭和元年から昭和54年までで職業別の平均寿命を調べた文献によると、最も長生きだったのは宗教家でした。これとは別に、古いお寺に残された住職149人の75歳時点での平均余命と、それぞれの時代の男性の平均余命を比較した調査があります。75歳以上生きた僧に絞ったのは、子供の死亡率が平均寿命に及ぼす影響を排除するためです。すると、僧の余命の方が一般男性よりも平均4・2年も長かったのです」

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