しかし最新の考え方では、すべての方において一律に「カロリー制限が必要、と考えない」というもの。その方の生活、食事の取り方、年代などで変えていくべき。私としては、ざっくりと「60代までは食事のカロリーやバランスを心掛ける。60代を過ぎたらカロリーではなく塩分量を心掛ける」ことが大事だと考えています。
60代より先は、肥満の方を除いて、カロリーを気にせず食べ、筋肉量を落とさないようにしてほしい。特に下肢筋力です。筋肉量の維持は、サルコペニア(加齢に伴い起こる骨格筋量と骨格筋力の低下)や低栄養の予防になり、健康寿命を延ばします。筋肉量が落ちると嚥下障害も起こりやすくなりますし、運動量が減って骨粗しょう症も起こしやすくなります。
60代を超えたら、カロリーが多少高くなっても、タンパク質が豊富に取れる食事の方がいい。食べられる量が減って痩せていくような方は、豚肉を食べるならしゃぶしゃぶよりポークソテーやトンカツのような、カロリーが高いものの方がいいのです。
進化する糖尿病治療法
60代まではカロリー制限 それ以降は塩分を抑える
年を取ったらカロリーが多少高くてもタンパク質を多く摂取