医療情報の正しい読み方

「事実」は「論理」でなく人間の研究で示されることが必須

論理か、事実か…

「論理」でなく、「事実」として示された情報を選ぼうということですが、この区別もなかなか難しい面があります。例えば「抗酸化物質であるβカロテンにがんの予防効果あり」という見出しを見ただけでは、論理なのか、事実なのかの判断は困難です。多くの人は見出しだけを見て事実だと思い込んでしまうかもしれません。

 論理か、事実かの区別をするためには、その根拠となっている研究がどういうものであるかをチェックする必要があります。「抗酸化物質βカロテンががん化を予防する」という論理が、事実としてどう示されているのか、というわけです。

 その研究が、試験管内で培養された細胞のがん化をβカロテンが予防したという実験は事実でしょうか。これは試験管内での事実かもしれませんが、人間にとっては単にβカロテンががん化を予防するかもしれないという仮説を生み出しただけです。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。

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