医療情報の正しい読み方

「事実」は「論理」でなく人間の研究で示されることが必須

論理か、事実か…

 それでは、これがマウスのがんを予防したとなるとどうでしょうか。これはかなり事実に近づいているとは言えますが、あくまでマウスに関しての事実にすぎず、人間に対してはここでも仮説にすぎません。

 論理から事実に向かって、「試験管内の実験による研究」「マウスなど動物実験による研究」を経て、最終的には「人間を対象にした研究」でβカロテンががんを予防するということが示されなければいけません。「抗酸化物質であるβカロテンにがんの予防効果あり」という事実は、試験管でもなく、動物でもなく、人間の研究で示されることが必須なのです。

2 / 2 ページ

名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。

関連記事