更年期を知って夫婦円満

「心」がつながっていないのに「体」がつながるはずがない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「日本更年期と加齢のヘルスケア学会」の学術集会で、日本性科学会セクシュアリティ研究会代表の荒木乳根子先生の講演が印象的でした。テーマは「現代中高年における性生活の課題と今後」。いくつかの課題から、特にみなさんに伝えたいことが3つあります。

 まず、中高年のための性教育の必要性。子供たちへの性教育は徐々に普及しつつありますが、中高年ではそれがない。しかし、この年代は思春期と同様に体の変化が生じるため、男女双方が相手の心身の変化や性に関して知識不足だと、すれ違いの原因になりかねない。男女ともに、体や性に関する正しい情報が必要だと先生は言います。

 また、性生活に対する男女の違いについても、先生は触れました。男性は性交で愛情を感じるが、女性は肌の触れ合いや日常生活で愛情を求める傾向がある。一方的にセックスレスになったご夫婦の男性からは、妻への愛情を維持するのが難しいという声も。普段から妻への愛情表現が十分ではないと思われるご夫婦の女性からは、「心がつながっていないのに、体がつながるはずがない」という意見が出るとのことです。

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小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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