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はしかは治った後も怖い… 免疫の記憶喪失で感染症リスク増

ワクチン接種を受ける赤ちゃん(C)ロイター

 子供が風邪をひいたり、お腹に菌が入って痛くなったりするのは珍しくありませんが、免疫系はそれを記憶して、次に菌が入ってきた時に攻撃する働きをします。

 ところが、はしかウイルスはこの記憶を消去してしまい、また最初からやり直しとなる……。研究者らはこの現象を「免疫の記憶喪失」と名付けました。

 アメリカでは以前もお伝えしたように、宗教的な理由などで予防接種を拒否する人がじわじわと増えていて「アンチバクサー」と呼ばれています。そのため、予防接種を受けない子供から学校などではしかが流行し、社会問題になっています。

 研究者は「せっかくほかの病気の予防接種を受けていても、一度はしかをうつされてしまえば、ワクチンによる免疫はすべて消えてしまう」とコメント。そんなはしかの恐ろしさを少しでも広く知ってもらい、ひとりでも多くの人が予防接種を受けてほしいと呼びかけています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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