独白 愉快な“病人”たち

その時が来たと手術を決断…島津悦子さん語る変形性股関節症

島津悦子さん(C)日刊ゲンダイ

 昔の人工股関節は耐用年数が15年ぐらいだったといいますが、今は材質や加工技術が改良されて半永久とはいえないまでも相当長く使えそうです。一番やってはいけないことは「転倒」です。もしも転んで股関節が外れたら数人で引っ張ってはめ直すそうで、激痛が伴うそうですよ。それから女性がよくする“横座り”がダメ。正座はいいのですが、股関節が内側に入る姿勢はいけないのだそうです。

 さらに、膝を胸に近づける“体育座り”もNG。だから爪切りや靴下をはくときは、男性のように股関節を外側に開いたあぐらのような姿勢が基本です。術後はじめて靴下がはけたときは感動しました。股関節をあまり曲げられないので手が届かない中、マジックハンドのような補助具を使ってでしたけれど、靴下がはけるだけでこんなにうれしいんだと思いました。ともすれば忘れがちなことですけれど、今回改めて何げない日常生活への感謝を教えられました。そして、周囲の人の優しさに触れたことが大きな収穫でした。

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