専門医が教える パンツの中の秘密

【子宮奇形】全体の5%に見られ「不育症」の原因になる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

◆「弓状子宮」 子宮底部(内腔の上の部分)が少しくびれている。
◆「中隔子宮」 子宮は1つだが内腔が壁で仕切られている。
◆「単角子宮」 子宮の内腔が半分くらいないような形になる。

 なぜ、このような奇形が起こるのか。それは胎児期のごく初期の生殖器の分化が関係します。少し難しくなりますが、簡単に説明しましょう。

 ヒトの胚は、初めのうちは男女ともに「ミュラー管」と「ウォルフ管」という生殖管をそれぞれ2本ずつ持っています。

 女性の場合はその後、ウォルフ管が退化し、ミュラー管が発達します。そして2本のミュラー管は接近し合い、下の部分が癒合してY字状になります。これが女性器の原形で、下部の癒合した部分が子宮と腟の一部となり、上部の二股に分かれたところが卵管になるのです。この過程で癒合が不完全だったり、発達が途中で止まったりすることが奇形の原因とされています。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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