専門医が教える パンツの中の秘密

【子宮奇形】全体の5%に見られ「不育症」の原因になる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方、男性の場合はミュラー管が退化してウォルフ管が残ります。そして発達したウォルフ管は精巣上体(副睾丸)と輸精管となり、尿道と癒合するのです。また、外性器では女性のクリトリスの部分が男性のペニスの亀頭になり、女性の腟口にある小陰唇や大陰唇の裂け目が閉じられて、男性の陰嚢(いんのう)になります。このように生殖器は複雑な分化を経て作られるので、奇形が起こりやすいのです。それも、その人の個性ともいえるでしょう。子宮奇形は不育症や不妊症への影響が大きい場合には、手術で治療することができます。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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