歯の疑問 ずばり解決!

特定の季節にストレスを抱えやすいと顎に異常が表れる場合も

口を開けても閉じても痛い…

 硬いものを無理に噛んだときから痛むようになったのか、普段の生活の中で顎に負担をかけるような動きをしているのか……によって対処法は変わりますし、原因が他にある可能性もあります。実は僕自身もストレスを抱えていた時期に発症したことがあります。噛んでも痛いし、口を開けるだけも痛いので本当につらかったのですが、まずなるべくリラックスするようにして過ごしました。それと、ガムを噛まない、硬いものを噛まない、大きく口を開けて笑わないなど、顎に負担をかけない生活を心掛けたところ、10日ぐらいで改善されていきました。

 40代半ばの女性の患者さんで、顎関節症を放っておいたために噛み合わせが前後にズレて固定化してしまった、というケースもあります。その方の前歯は上下重ねることができないので、何かを噛み切ることができません。10代後半から20代前半まで、ずっと異常な音がしていたのに、あまり痛くなかったのと何科を受診していいのか分からず放置していたそうですが、今となっては手の施しようがないのです。素人判断は危険です。

(構成=小澤美佳)

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北沢伊

北沢伊

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

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