■抗生物質の乱用でカビが増加
「善玉菌は悪玉菌の成長を抑える抗菌物質を分泌したり、病原体の体内への侵入を防いだりする作用があります。ほかにビタミンや酵素を作ったり、ミネラルを吸収しやすいかたちにしたり、食物繊維を消化して、短鎖脂肪酸といわれる腸の上皮細胞の材料になる栄養素を作り出したり、女性ホルモンや脳に影響するセロトニンを産出します。腸内でカビが増えることは、その分、人間に有益な善玉菌が減ることを意味し、多くの弊害が表れることになるのです」
それは体の免疫力の7~8割を担っている腸の機能が低下してがん化しやすい環境になってしまうだけでなく、さまざまな病気の原因になるということでもあるのだ。
例えば、真菌の一種であるカンジダ菌が増えると腸内細菌叢のバランスが乱れ、喘息などのアレルギーが発症することが明らかになっている。