100年人生が楽しくなる半日断食

わずか半年で67kgが57kgに 学生時代の体重に戻りました

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「糖質制限食を試してみると、体重は半年で67キロから57キロへと10キロ減少。学生時代の体重に戻り、お腹回りの内臓脂肪も減り、メタボが解消したのです」

 京都市右京区にある高雄病院では1999年から、糖尿病治療に糖質制限食を導入してきた。主導したのは、糖質制限の第一人者、江部康二理事長。実は江部先生自身も52歳で糖尿病になり、真っ先に糖質制限食を実践。その後、体重は今に至るまで17年間変わっていないという。

 糖質制限食とは糖質を多く含む、お米や麺類、パンや菓子などを極力減らし、タンパク質や脂質を多く含む肉や魚や大豆製品(豆腐や納豆)、野菜やキノコ、海藻などを摂取するといったもの。高雄病院では糖質制限食を導入後、患者の血糖値が薬に頼ることなくみるみる改善。そして、多くの患者の内臓脂肪も減り、肥満が解消された。江部先生も糖質制限を始めてわずか半年で、下が95、上が150の高血圧症が正常値に。その他、内臓脂肪やヘモグロビン値の健康データも正常化している。

「この糖質制限はカロリー制限なしで運動もなし。糖質制限と1日2食の『半日断食』の組み合わせで結構です」

 糖質制限と聞くと何かマニアックな食事法と捉えがちだが、そもそもヒトが糖質を摂取し始めたのは、人類の祖先が誕生したとされる700万年前から見ればごく最近のこと。世界的には農耕が定着した1万年前であり、日本では2500年前の弥生時代からに過ぎない。

「人類の歴史でほとんど糖質を取ってこなかった私たちの体は、今のような糖質過多な食生活には対応できていない。だから、体質に合わない糖質をたくさん食べ続ければ病気になってもおかしくありません。実際、世界中で糖尿病が蔓延しています。糖尿病が強く疑われる患者さんは、日本だけでも1000万人を超え、世界では4億人超え。糖尿病だけではなく、日本人の死因の上位を占めている、がん、心臓病、脳卒中も糖質の取り過ぎが一因と考えられます。いわば“糖質病”なのです。私は糖質制限と1日2食の半日断食を『食べトレ』と名付け、運動なしでも内臓脂肪がストンと落ちる食生活として皆さんにお伝えをしています。食べトレをすれば、体形改善はもとより、病気を防ぐこともできる。浮輪のようにだぶついたお腹回りも『年だからしゃーないなー』と諦めなくて済む。しかも頑張らずに」

 では、実際にどういう食事にすれば、ポッコリお腹はへこむのか。次からは具体的な方法を紹介してみよう。

(構成=中森勇人)

江部康二

江部康二

1950年、京都府生まれ。京都大学医学部卒。高雄病院理事長(内科医、漢方医)。日本糖質制限医療推進協会代表理事。近著に「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(ダイヤモンド社)がある。

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