79歳の夏、数日にわたって嘔吐があり、物忘れ外来の医師が消化器科を紹介してくれて胃がんが見つかりました。ステージは2でした。私がすべて説明を聞き、「同意」して手術していただきました。胃の3分の1が残り、みなさんのおかげで手術後のトラブルもなく、幸いこれまでがんの再発はありません。
先日、同じデイケアに通っている方のご家族のFさんから、とてもショックな話を聞きました。Fさんががん治療の講演会に出向いた際、「認知症とがん治療」について演者を務めたある医師が、「認知症は進むと分かっている中で、がんの治療をして余命を延ばすことにどれだけ意味があるかについて考えて欲しい」と話されたというのです。
Fさんは「あの講演会では、認知症の患者はがん治療しても意味がない、長く生きていても意味がないと言っていると思うのです」と口にされていました。
がんと向き合い生きていく