脳卒中・心臓病・動脈硬化の対策には血糖トレンドが役立つ

「線」で見る
「線」で見る(提供写真)

 糖尿病治療で重要な血糖コントロール。近年、血糖コントロールは「点」ではなく「線」で見よう、つまり「1日の中で血糖がどう変動しているかを見よう」という動きが高まっている。血糖コントロールを「線」で捉えることを、「血糖トレンド」と呼ぶ。

 血糖は1日の中でも上がったり下がったりを繰り返す。運動や食事などの影響も受ける。この上下が小さい方がよく、逆に血糖の上下の幅が大きい場合、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まる。だから、血糖トレンドを見ることが大事なのだ。

 これまでは血糖をリアルタイムで把握する方法として、血糖自己測定が行われていた。しかし1日数回、血糖自己測定をしている人でも「点」での数値なので、血糖トレンドをチェックしづらかった。しかし、血糖を持続的にモニタリングできる「フラッシュグルコースモニタリング」が登場。状況が変わった。

「測定回数が制限されずに継続的に日内の血糖変動を把握でき、1日の変動を線で見ることができます。睡眠中の血糖変動も見ることができるため、夜間の無自覚性低血糖を把握し、血糖変動を適正化することにおいても強力なツールといえます」(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明教授)

 フラッシュグルコースモニタリングは、上腕部に500円玉のセンサーを貼り、リーダーでスキャンして使う。血糖自己測定のように指先から血液を採血しないため、それに伴う痛みや手間を嫌がる人にも好評だ。糖尿病なら健康保険適用。糖尿病でなくてもインターネットから購入できる。

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