独白 愉快な“病人”たち

聞こえづらくなると心の視野が…宇崎竜童さん語る内耳破損

宇崎竜童さん(C)日刊ゲンダイ

 特に高音の周波数が聞こえない。うちの奥さん(阿木燿子)はファルセットで周波数が高い。だから声をかけられても、隣室にいるのか階段下にいるのか上にいるのかが分からない。顔が見えれば大丈夫なのですが、姿が見えずに声だけ聞こえると、うまく聞き取れません。

 治療法はなく、補聴器をつけて対応するしかないとのこと。診断結果を聞いたとき、「あぁ、オレは難聴になっちゃったんだ……ミュージシャンなのになぁ」と思いました。

 とはいうものの、ミュージシャンは難聴が多いと思います。スタジオではヘッドホンでじかに爆音を聞いている。長年、耳を酷使しているわけです。

 特にドラマーは、激しい破裂音を始終聞いていますから、耳を傷めるケースが多いようです。彼らのヘッドホンで音を聞かせてもらったことがありますが、それはそれはすごい音量。レコーディング中に具合が悪くなって吐いているドラマーを見たこともあります。

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