独白 愉快な“病人”たち

聞こえづらくなると心の視野が…宇崎竜童さん語る内耳破損

宇崎竜童さん(C)日刊ゲンダイ

 病院に行ってからしばらくたって、テレビの生放送でインタビューを受けているとき、質問するアナウンサーの声がよく聞こえないことがありました。

 台本を思い出しながら質問を想定して自分なりに答えたのですが、収録後にマネジャーから「あのとき、質問と答えが合っていませんでしたよ」と言われました。トンチンカンな答えをしてしまったんです。

 耳が聞こえづらくなると、人の話が聞こえないから、聞こえているふりをするようになる。最初のうちは聞き返すけれど、それも度重なると聞かれたほうも自分もわずらわしい。聞こえているふりだから、実際には話を聞いていないわけで、だんだんと心の視野が狭くなってくるんです。

 打ち上げなどで大人数がいて、賑やかな店だと話が聞き取れなくて疎外感を感じたりもします。たかが難聴、されど難聴で、耳が聞こえにくいというのはパッと見、誰にも分からないから始末が悪いのです。

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