ストレスフルでもうつ病にならない人は腸内環境に理由あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 たとえばうつ病患者、または統合失調症患者の便から調整した腸内細菌をネズミに与えると、ネズミがうつ様行動、または統合失調症様の行動異常を示すという論文も海外の一流雑誌に掲載されている。脳と腸内細菌に密接な関係があることを示しているのだ。

 橋本教授はネズミにストレスを与える研究を行った時、うつ様の行動を示すようになるネズミとそうでないネズミがいることに気づいた。

 人間の場合は遺伝や環境要因などでストレスへの強さは人それぞれだが、研究用のネズミの場合、親やエサ、飼育条件は同じ。遺伝や環境要因による違いがなく、本来“ネズミそれぞれ”とならない。

「調べた結果、うつ様行動を示すネズミは乳酸菌の一種であるラクトバチルスが腸内で増えていて、うつ様行動を示さないネズミは、ストレスを与えていないネズミと腸内環境は同じであることが分かりました」

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