独白 愉快な“病人”たち

格闘家の征矢貴さん「クローン病」との壮絶バトルを語る

征矢貴さん(C)日刊ゲンダイ

 クローン病は自己免疫機能が暴走して消化器官のどこかに炎症や潰瘍を起こす病気で、国が指定する難病のひとつです。僕は大腸に炎症が起こり、便が出にくくなっていました。医師から「治らないけど、薬を服用すれば普通の生活はできます」と言われたので、僕は「症状が落ち着くなら試合もいける!」と思い、特に悲観しませんでした。でも、あとから考えれば格闘家は普通の生活とはかけ離れているので、遠回しに「やめろ」と言われていたのかもしれませんね(笑い)。

 翌10月に39度の高熱が出て病院に行ったら、「大腸が腫れている」となって入院になりました。1週間ほどで退院しましたが、その後は薬が段階的に替わっていきました。弱めの「ペンタサ」はまったく効かず、効果絶大だったステロイドは数週間で使用期間の限度になり、次には生物学的製剤のひとつである「ヒュミラ」を使用しました。1本7万円の注射を2週間に1度打たなければならないので、この時、難病申請をして医療費受給者証を取得しました。

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