歯の疑問 ずばり解決!

歯の根の治療には「ラバーダム」が効果的と聞きましたか…

ラバーダムは感染対策の基本

 やはり転院されてきた患者さんの話ですが、銀歯を取って根管治療を行い、その後で自費診療のかぶせ物を2本入れた場所が膿(う)んだそうです。最初にかぶせ物をしたところが痛いので改めて診てもらいに行ったところ、「なんで膿んだのか分からない」と言われたといいます。数カ月後、2本目の根も膿んでしまって顔の半分に激痛が走り、副鼻腔炎まで併発し、僕のところへやってきたのでした。

 2本ともラバーダムは使用せずに治療していたそうです。結局、痛みは1年近く長引き、1本10万円のかぶせ物は2本とも無駄になり、再度根管治療から行うことになりました。

 もし、ラバーダムを最初の段階で適切に使用していたらこのようなことにはならなかった可能性が高かったのに、と思います。

 (構成=小澤美佳)

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北沢伊

北沢伊

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

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