中高年「偽関節」リスク 家庭での“足をゴン”は甘く見ない

病気にかかりやすくなり慢性疼痛に悩まされる

 Aさん(男性、66歳)は寝るときに、ベッドの支柱に左足の中指をしたたか打ち付けた。見る見る腫れ上がり、内出血で紫色に。診察は剥離骨折で、すぐにギプスをしたが、なかなか治らずに半年が過ぎた。

「一般的に中高年の骨折は若い頃と違って治りにくいとされます。それは骨が弱いうえに折れた骨を修復する力も弱くなるためです。Aさんも『年のせいで治りが遅いのか』と思っていたそうですが、骨折治療に必要とされる期間が過ぎても骨がくっつかない。改めて検査をしたところ『偽関節』だったことがわかったのです」

 治りづらい骨折は骨折全体の8~10%程度あるといわれ、偽関節はそのひとつ。折れた骨がグラグラしてくっつかずに動いている状態を言う。皮膚から骨が飛び出す開放骨折は細菌感染が起きやすく回復に必要な仮骨ができにくいため、偽関節リスクが高いといわれるが、喫煙、糖尿病、栄養不足もそのリスク要因だとされる。

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