Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

阪神・原口は3b期 大腸がんは錠剤の抗がん剤で再発予防

阪神の原口文仁捕手、オールスターでは豪快ホームラン!(C)日刊ゲンダイ

「5年経過観察して完治といわれたので、まずは自分の体調を見ながら、5年間しっかり定期検査を行いながらやっていかないといけない」

 そう語っているように、今後は再発のチェックがカギです。ステージ3の再発率は30%程度。リンパ節転移のないステージ2でも、20%程度が再発するとされます。術後に抗がん剤治療をプラスしたのは、再発予防が目的なのです。

 原口さんのような経口のほか点滴で、原則6カ月。原口さんは2月6日から7月9日まで、半年に及ぶ補助化学療法をしっかりと完遂。今後は、半年ごとに検査しながら再発チェックを受けることになりますが、原口さんの活躍は同じ病気で闘う人の励みになるでしょう。

【写真特集】阪神・原口、代打で登場豪快2ラン! マイナビオールスターゲーム2019

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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