医療情報の正しい読み方

「インフルエンザ流行」報道から考える臨床研究の全体像

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 このインフルエンザがこれくらい流行しているという研究は、何が起こっているかをただ観察し、記述した研究ということで、「観察研究」のひとつとして、特に「記述研究」と呼ばれます。「日本人の死因のデータ」「がん患者の10年後の生存率のデータ」などは、すべて「記述研究」の結果に基づくものです。

 あまり研究という感じがしないかもしれませんが、他の研究のもとになるデータを提供する面もあり、極めて重要な研究です。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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