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大量出血と貧血がつらい「子宮筋腫」…閉経前の治療法は?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 月経時の大量出血とそれによる貧血に悩む40代後半のRさん。ナプキンが1時間であふれてしまうほどの出血です。

 原因は子宮筋腫。子宮筋層にできた良性の腫瘍のため、定期的な検査で何年も様子を見ていましたが、最近になり出血量が増え、頻繁にトイレに行くようになって、仕事に集中できないと悩んでいます。Rさんの5つ上の姉も同じ問題を抱え、数年前に子宮の摘出手術を受けました。

 子宮筋腫は30~40代の女性の4~5人に1人が発症する病気。女性ホルモンのエストロゲンが関係しています。筋腫の大きさやできた場所が深刻であれば、手術などの方法が勧められますが、一般的には「様子を見ましょう」と言われることが多い。なぜなら閉経後、エストロゲンの分泌が減少すると筋腫が小さくなるため、閉経が近い年代では、数年後には症状が軽減する可能性があるからです。

 ただ、Rさんのように出血や貧血で普段の生活に影響が出る人がいるのも事実。その場合、閉経前の治療として、薬で筋腫を小さくして今ある症状を軽くし、閉経まで待つ方法があります。

 ホルモンの分泌を抑える薬物療法では閉経と同じような状態になるため、更年期症状が出る場合もあります。骨量が減少するので、治療の目安は半年。閉経が近いからと薬物療法を選んでも、その人の卵巣が比較的元気でなかなか閉経しないと、薬物療法後も筋腫の悩みが付きまとうこともあります。

 人によっては「妊娠を希望していないから」「大量出血がつらすぎて耐えられない」などの理由から、子宮摘出手術を選ぶ人もいるでしょう。近年、新しい手術法や薬剤も増え、治療の選択肢が増えました。主治医に自分が何を望んでいるかをしっかり伝え、ベストな方法を選択してください。

 更年期世代の女性は、更年期症状以外でも、婦人科疾患の悩みを抱えがち。定期的に体をチェックしてもらえ、婦人科疾患の悩みを打ち明けられるかかりつけ医を持つことも大事です。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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