がんになったら最初から「緩和ケア」を…最新事情を知る

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 2人に1人ががんを発症するといわれる時代。押さえておきたいのが、緩和ケアについてだ。緩和ケアによって生命予後が延びたという報告もある。

 こんな研究結果がある。転移のある非小細胞肺がん患者151人を対象にしたもので、標準的な抗がん剤治療の患者と、抗がん剤に加えて早期から緩和ケアチームによる月1度以上のサポートを受けていた患者とを比較したところ、緩和ケアチームのサポートが加わった患者の群は、QOL(生活の質)の向上、うつ症状の軽減が見られた。

 また、亡くなる60日以内の抗がん剤の使用は減少。すなわち、ぎりぎりまで抗がん剤治療を受けることなく、緩和ケアの群は2・7カ月長く生きられた。

「心身の痛みやつらさがあると、眠れず、食事ものどを通らず、抵抗力が落ちて十分ながん治療を受けられません。痛みやつらさが緩和すれば、治療も頑張れ、長生きにつながるでしょう。また逆に、体力が落ちた状態で無理な抗がん剤を受けることがなければ穏やかに過ごせるでしょう。がんになったら緩和ケア。最終的にではなく、ぜひ最初から受けてほしいのです」

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