ところが、消化の悪い食べ物や過食により胃の中での消化に手間取ると、胃の中に食べ物が渋滞します。それでも、食べ物の一部が十二指腸に達すると、噴門が開いてしまい、胃酸が逆流して食道の粘膜に炎症を起こし、胸やけが生じるのです。ちなみに、げっぷは噴門が開いたときに胃の中の空気が逆流したものをいいます。げっぷが出る人は食道がただれている可能性があるということです。
もちろん、胃の中での滞留時間は食材だけで決まるわけではありません。食べ物の量が増えれば増えるほど長くなりますし、調理の仕方によっても異なります。
鍋は、十分煮て、食材によっては控えめに食べた方がいいでしょう。
(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)
内視鏡医が見た12月の胃袋