独白 愉快な“病人”たち

術後3日は人生最大の苦痛…Nosukeさん精巣がん語る

Nosukeさん(C)日刊ゲンダイ

 ところが、腫瘍摘出手術は8時間の予定が大幅に延び、夕方に終わるはずが深夜1時までかかってしまったのです。腫瘍は2つあり、その1つが大動脈に巻き付いていて取りづらく、大量出血を伴って輸血もしました。

 術後の3日間は人生最大の苦痛でした。お腹の真ん中を縦に約30センチ切って、背骨付近の腫瘍を取り除いたわけですから、そりゃ痛いですよね。強力な痛み止めのせいで視界はピンク色になるし、管は6本もついていて、空気も満足に吸えず、一睡もできない状態の3日間は本当につらかった。時間の流れが異様に遅く感じて、ちょっとおかしくなりそうでした。でも、4日目になると少し眠れるようになり、5日目には激痛をこらえればトイレに行けるようになって、カテーテルが外れ、点滴が抜け……と日に日に回復し、12日間ぐらいで退院できました。家族やスタッフ、仕事の関係者にその報告ができたときはウルッときました。

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