血管・血液を知る

「血液サラサラ」心筋梗塞予防にどこまで関係しているのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これで分かる血液ドロドロの状態で、本当に心臓血管病に関わる動脈や静脈に血栓ができやすくなるのでしょうか?

 血液は、細胞成分(血球)と、血漿(プラズマ)と呼ばれる液体成分から成り立っています。赤血球は体の隅々まで酸素を運び二酸化炭素を回収する働きがあり、白血球は体内に侵入してきた細菌などの異物から体を守る働きがあります。また、血小板は結合して固まる(凝集)性質によって止血をします。

 血栓は「止血」という体の防御反応が、通常では起こらない血管の中で起きてしまったものをいいます。毛細血管ではなく、中サイズの冠動脈などが動脈硬化やストレスで傷つくと、まず血小板が集まって凝集します。さらに数々の血液凝固因子が反応してできたフィブリンというノリのようなものが赤血球などを取り込み、血小板の塊を補強し血栓ができます。

 この血小板が凝集する能力と凝固の起こりやすさは専門的機器で測定されますが、MC―FANによる測定内容とは違うのです。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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