患者が急増中!その視力低下は近視でなく「円錐角膜」です

年齢とともに近視や乱視が強くなる

 なぜ円錐角膜になるのか、その原因はハッキリしていない。ただ、アトピー性皮膚炎、ダウン症、睡眠時無呼吸症候群の人に多いことがわかっていて、最新の研究では、遺伝子との関わりが注目されている。

 目の細胞のアポトーシス(細胞死)をつかさどる遺伝子や酸化ストレスを除去する遺伝子、角膜のコラーゲン線維の新陳代謝をつかさどる遺伝子などに異常が見られるとの報告がある。さらには角膜の細胞が炎症や低酸素ストレスに対して抵抗性が弱く、普通の人の細胞なら反応しないような低い刺激でタンパク質溶解酵素を産出してしまう可能性も指摘されている。

「円錐角膜が怖いのは、進行すると治ることがないことです。ハードコンタクトレンズは、角膜に硬くツルツルしたレンズを乗せることで角膜の凹凸などを抑えて、視力や乱視をしばらくの間、矯正することは可能です。しかし、進行し過ぎてハードコンタクトができなくなれば角膜移植しか手がありません。ですから、悪くなり過ぎる前に、早期発見して新たな治療法を受けることが大切なのです」

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