患者が急増中!その視力低下は近視でなく「円錐角膜」です

円錐角膜手術(加藤直子先生提供)
早めの治療がわが子の将来を開く

 反抗期のど真ん中にある子供たちは、円錐角膜といってもコトの重大性を認識するのは難しい。親が先を見越して積極的に関わらないと、子供の将来を狭めることにもなりかねない。

 左右ともに円錐角膜が見つかった男子高校生は、親の強い勧めですぐに手術をしたおかげで進行がストップ。大学へ進学、卒業後は念願の海外駐在員になったという。

「10代はとくにですが、短期間に視力が急激に落ちた、乱視が進んだ、眼鏡をかけても視力が出にくい、景色や街灯がにじんで見える、といった人は円錐角膜を疑い、角膜形状解析検査を受けることをお勧めします。眼科専門医が在籍する医療機関で対応してくれるはずです」

 ハードコンタクトレンズの装着が必要ない状態で発見されれば、「角膜クロスリンキング」を選択するのも手だ。

「円錐角膜の人の目のコラーゲン線維は、普通の人に比べて軟らかいために変形してしまいます。そこで、薬剤で固めてしまうというのが角膜クロスリンキングです。具体的には点眼麻酔をした後、手術で黒目の表面の角膜上皮を取り除き、リボフラビン(ビタミンB2)を溶かした点眼薬を垂らした後に紫外線を照射して目のコラーゲン線維を固めます。照射後は度のないソフトコンタクトレンズを保護のために装着して終了です」

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