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ここ数年は低下傾向…小学生の3人に1人は裸眼視力1.0未満

小学生の裸眼視力はここ数年低下傾向
小学生の裸眼視力はここ数年低下傾向

「ウチの一番下の子も小学生でメガネをかけることになりました。私も妻も、中学生のお兄ちゃん2人もそうですから、まさにメガネ一家です」

 同じ部署の後輩が酒席でこんなことを言っていた。改めて調べてみると、小学生の裸眼視力は、ここ数年、低下傾向だ。

 文部科学省のまとめた平成30年度「学校保健統計」がそれを如実に示している。統計は、全国の児童、生徒らを対象にした発育状態・健康状態調査で、虫歯やアトピー性皮膚炎、ぜんそくなどの割合をチェックしたもの。それによると――

【裸眼視力1・0未満の者=小学校】
・平成20年度…29・87%
・平成25年度…30・52%
・平成26年度…30・16%
・平成27年度…30・97%
・平成28年度…31・46%
・平成29年度…32・46%
・平成30年度…34・10%

 この34・1%は過去最高で、中学校では過去最高だった昨年度と同程度の高い割合、高校では過去最高の結果になった。「裸眼視力1・0未満」イコール、メガネ着用というわけではないが、後輩の話は他人事ではない。

 同調査によると、「アトピー性皮膚炎」は中・高で、「耳疾患」は小・中でいずれも過去最高の割合を記録。

 そして、「鼻・副鼻腔(びくう)疾患」も小学校で13・04%、高校は9・85%で同じく過去最高の割合だった。

 視力はもちろん、耳や鼻疾患に侵される子どもが明らかに増えているのだから、同世代の子どもや孫を持つ親たちは気が気ではないはず。同調査では「虫歯」だけが、ピーク時(昭和40~50年代)より幼稚園、小・中・高の全世代で減少傾向にある。これが唯一の救いか。

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