骨と筋肉の疑問に答える

肉離れ直後は大切…「RICE」とはどんな処置なのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 筋断裂は3段階に分かれています。筋線維のわずかな損傷がⅠ度、一部断裂がⅡ度、完全断裂がⅢ度です。肉離れはⅠ度の状態を指します。痛みと共に損傷や断裂が生じた場所に凹凸ができたり、皮下出血がみられたりします。

 肉離れを起こした直後は「RICE」と呼ばれる処置を行うことが大切です。これはRest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の略です。患部を冷やして出血、腫れ、痛み、炎症を鎮める冷却は受傷後15分以内に始めて20分間程度冷やし、患部の感覚がなくなったらいったん外して痛みが出たら冷やすことを繰り返すことが良いとされます。テープや包帯で患部を圧迫する目的は腫れや内出血を防ぐこと。患部の下から心臓方向に向かってらせん状に巻いていきます。患部より上は徐々に緩くしていくのがコツです。挙上とは可能な限り患部を心臓より高い位置にすることです。安静は損傷部の腫れや血管・神経の損傷などのさらなるダメージを防ぐために重要です。

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水井睦

水井睦

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

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