後が絶たない「小児性愛障害」は依存症…親はどう対策を

 子どもを守る親の立場として、まず覚えておきたいのは、子どもへの性加害者は身近にいる可能性が高いということ。教職、学校職員、学童クラブのスタッフ、保育士、塾講師、スポーツインストラクターなども例外ではない。榎本クリニックに通う患者のうち、初診時に働いていた人56%の3割近くが教員、塾講師、スポーツインストラクターなど子どもに指導的な立場として接する職業だったという。

「性加害は男児も例外ではありません。女児は小さい頃から『おかしな人に気を付けなさい』と何度も言われているが、男児はそれほどでもなく警戒心が薄いことが理由のひとつかもしれません。彼らはこのように無警戒な幼い児童を狙います」

 小さい子どもほど、されたことを言語化することが難しく、親が気づかない。対策として、具体的にどの部分を触られたら性暴力か、どのように助けを求めるべきかを「あなたは悪くない。絶対に怒ったりはしないから」と常日頃繰り返し伝えておくことが重要だ。

 国が掲げる小児性愛障害に対する再発防止策は十分とは言えない。斉藤氏らの治療プログラムにたどり着く人はごく一部だ。親ができることからやっていくしかない。

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