線維筋痛症では、筋トレ群とストレッチ群に分けて1回45分を週2回、4カ月続けたところ、筋トレ群では1カ月目、ストレッチ群は2カ月目から疼痛の強度が減少。運動後、不安や抑うつ、QOLも改善した。
■その辺を歩く程度の軽い運動でOK
また、慢性疼痛患者で運動療法が効いた群と効かなかった群を比較すると、効いた群は1カ月で痛みの程度が低下。
「特別な運動でなくても、その辺を歩く程度の軽い運動で慢性疼痛が治まるという結果でした」(伊達院長)
患者からは「こんなに痛いのにリハビリなんて……」といった声がよく上がるという。「動くと痛くなる」という不安から体が動かせない“運動恐怖”を抱えているからだ。運動療法で「動いても痛くないことを自覚」→「リハビリで一時的に楽になることを体験」→「痛い時にストレッチをしよう、と考えるようになる」という良い循環が生まれる。慢性疼痛が長引くのには、不安や抑うつ、破局化思考が関係している。