愉快な“病人”たち

日本語学者・山口仲美さん がん手術で抱えた“選択の悩み”

山口仲美さん(C)日刊ゲンダイ

 膵臓がんの5年生存率はきわめて低く、わずか数%。手術しても無駄かもしれない。だったら、手術は受けないことにしようか。

 でも、このまま座して死を待つというのは、自分の生き方ではない。ダメでもともとなら、手術を受けよう。そういう気持ちも襲ってくる。手術を受けると意思決定できたのは、何と手術予定日の2日前だった。その決意を促したのは、次の2つの理由でした。

 1つは、膵臓がんで亡くなったスティーブ・ジョブズさんの記事です。彼は、膵臓がんが見つかった時、手術ではなく、代替医療を選んだ。でも、それはダメだった。死の直前まで、彼は最初に手術を選ばなかったことを後悔していたという記事です。

 もう1つは、セカンドオピニオンを仰いだ先生が「あなたが私の家族だったら、どんなことをしても手術を受けさせます」と言ってくださったこと。

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