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血液型による性格診断は根拠のない迷信なのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 血液型による性格診断は定番の話題です。「血液型は何型ですか?」という会話をキッカケに初対面同士でも仲良くなることから、世代を超えて多くの場面で使われています。確かに「生真面目なA型」「気分屋のB型」「おおらかなO型」「マイペースで二重人格なAB型」などという区分けは、学校や職場の人間関係を語るうえで面白い話題です。

 しかし、「血液型による性格診断は迷信で科学的根拠がない」というのが医師や科学者の大方の見解です。

 そもそもA、B、O、ABという血液型だけで性格を4分類するのはあまりに短絡過ぎるし、お遊びの域を越えない、というのはもっともな話です。血液型性格診断の話をする人も、まったくそれを信じているわけではないでしょう。

 ところが最近、輸血の際にABO式やRH式の分類をする以外に意味がないとみられていた血液型には、血液型ごとに免疫力に違いがあり、かかりやすい病気とかかりにくい病気があることなどが明らかになっています。血液型と病気の関連性については、有名な科学雑誌「Nature」の2000年の総説で「胃腸管に関するいくつかの形質に弱い相関が確認できるが、血液型と疾患の相関については再現性よく示されたものはない」と説明されました。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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