インフル流行期に突入 今からでもワクチンを打つべきか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ちょっと古い調査だが、2000~01年から10~11年シーズンの計11シーズンにわたるインフルエンザワクチンの接種率は、全体で38・6%。医療関係者など「ワクチン接種を率先して行っている」という人も含むわけで、そうではない“一般ピープル”に限定すると、もっと接種率は低くなるかもしれない。

 ちなみに、アラフォー本紙記者は20年以上、医療ページを担当し、インフルエンザ関連の記事を毎年書いているが、一度もワクチン接種をしたことがない。重要性は十分に理解しているものの、ものぐさなために、11~12月初頭の“理想的なワクチン接種時期”を何もせずに過ごしてきたためだ。

 しかし、インフルエンザの取材をしていると、患者との接触が多いが、長らくインフルエンザにかかったことがないという医師は、全員がワクチン接種をしている。すでに“理想的な接種時期”を過ぎているが、今からでも打つべきか?

「イエス」と答えるのは、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長。インフルエンザの流行のピークは12月から3月くらいまで続く。これまでは運よくインフルエンザにかかったことがなくても、3月までのどこかでかかるかもしれない。

 それならリスクを下げるために、インフルエンザワクチンを打った方がいい。すでに1月、2月に入っていても、そうだ。

 ところで、インフルエンザワクチンの話になると、決まって「100%発症を防げるわけじゃないんでしょ」と言う人がいるが、そもそもワクチンに対する認識を間違えている。

「インフルエンザワクチンを接種しても発症するリスクはゼロにはなりません。しかし、症状を弱く抑えてくれる利点があります」(大谷院長)

「今年流行のインフルエンザウイルスの型と、ワクチンの型が違ったらどうなるのか?」という声もよく上がるが、近年の流行型はA香港型、A(H1N1)型、B型。ワクチンもそれに合わせて製造されているので、大きな違いが生じることはないだろう。ちなみに、今年に入って流行が確認されている型は、まさにその3つの型だ。

 ウイルス変異でワクチンが効かなくなる耐性ウイルスの問題もあるが、それにしても「効き目が弱くなる」程度で、さらには耐性ウイルス出現の率はそう高くない。

 観念して、今からでもワクチン接種を。ちなみに本紙記者も今年、初めて接種。予約して行ったので、病院に入ってから出るまで、ものの数分で終了。簡単すぎて拍子抜けしたほどだった。

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