薬物乱用が大きなリスク因子であることがわかっていて、不衛生な注射器で静脈注射を繰り返すことによって細菌が侵入しやすくなったり、鼻粘膜が弱くなることでも感染リスクを上昇させるのです。
そのうえ免疫力が落ちていると、普段なら排除される細菌が体内に居座って感染性心内膜炎につながり、さらには重症化しやすくなります。今回の報告でも、発症した人の多くがもともとHIVやC型肝炎ウイルスに感染していたり、アルコール依存症だったといいます。やはり、免疫力の低下がベースになっているといえるでしょう。
薬物乱用なんてしていないから心配ない……というわけでもありません。糖尿病、腎臓疾患、肝臓疾患といった免疫力が落ちてしまう基礎疾患がある人や、心臓弁膜症で弁を交換する手術を受けたことがある人、アトピー性皮膚炎や膠原病などで強いステロイド剤を使用している人らは注意が必要です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」